まだまだ発展途上。エアコン、テレビ、照明をアプリひとつで操作できる全能感「ここリモ」レビュー

アプリひとつで複数家電を操作できる全能感は異常

中部電力の「ここリモ モニタープログラム」に参加しました。

ここリモ | カテエネ コネクト | 中部電力が提供するちょうどいい未来を提供するWebサイト

ここリモ」というのは、スマホアプリで家電が操作できるようになる赤外線リモコンです。

本体価格は5千円くらいです。

こいつを使うと既存の電化製品がIoT化、いわゆる「スマート家電」にパワーアップ。本記事執筆時点では、照明、テレビ、エアコンの3種類の家電をスマホアプリひとつでコントロールできるようになります。

さっそく開封してみましょう。

設定マニュアルはとてもシンプル。初期設定以外は「続きはウェブで」な感じです。

同梱物は、設定マニュアル、ここリモ本体、micro USBケーブルの3点のみ。

ここリモ本体は手のひらにチョコンと乗るサイズです。

本体の外観としては、背面にボタンがひとつとmicro USB端子が配置。

底面に型番などが記載されている程度です。

電源供給にはmicro USBケーブルを使います。

電源アダプタは付属していないため、別途用意する必要があります。5V1A以上のUSBアダプタを用意しましょう。

電源が入ると本体正面のLEDランプが青く点灯します。

ここからはスマホアプリで設定を進めていきます。まずは「ここリモ」アプリをインストール。アプリを起動して初期設定を行います。

スマートスピーカーとの連携には、中部電力のWEB会員サイト「カテエネ」の会員登録&ログインが必要になります。カテエネIDでログインしたら、アプリの説明に従ってセットアップを進めましょう。

まずはスマホ経由でここリモのWi-Fiネットワーク接続を行います。ここで注意しなければならないのが、接続するWi-Fiネットワークが2.4GHz帯に限られるという点です。

ここリモ側が5GHz帯の接続に対応していないため、2.4GHz帯のWi-Fiネットワークでなければ設定が進みません。また、WPSにも未対応なため、SSIDおよびパスワードは手打ちです。

我が家では2.4GHz帯のWi-Fiネットワークに接続しようとしても中々スムーズに設定が進まず…この時点で若干のつらみを感じました。スマホ側のネットワーク設定で自動接続がオンになっていると5GHz帯に繋がってしまうため、セットアップ時は自動接続をオフにする必要があるなど罠が多いです。

ネット上でも最初の接続で苦戦した方が多数見受けられたので、このあたりはちょっと改善の余地があるのかなと。

何度か接続を試みて無事に完了。続いてリモコンの登録を行います。

冒頭で説明したように、照明、テレビ、エアコンの3種類の家電のリモコンが登録できます。

対象機器をタップし、メーカー名を選択します。

次に機種選択の候補が出てくるのですが、型番などが表示されるわけではなく、候補と謎のナンバーが羅列…正直どれを選べば良いかさっぱりです。

ひとまず一番上を選択し、アプリ上のボタンをタップして動作するか確認。照明で操作できるのは電源のオン/オフだけで、明るさの段階調節や常夜灯の点灯などは実装されていません。

とりあえず試してみると、サクッと照明の電源オン/オフができました。すごい。

いわゆる学習リモコンのように、ここリモ本体へリモコンを向けてピッ!と各ボタンを押しながら登録を進めるものと思いきや…アプリだけで設定完了。ある意味拍子抜けしてしまいました。

続いてエアコンを登録。先ほどと同じ手順で設定完了。照明よりは操作できる範囲が広いですね。

こちらは電源のオン/オフに加えて、温度調節や冷房/暖房の選択、風量調整が可能です。

しかしながら本家のリモコンと連動しているわけではないため、設定温度の表示が一致しません。温度調整も1度単位になっているため、0.5度の微調整などができません。

その一方で、エアコンの冷房/暖房能力や製造年の情報登録を行うと、大まかな電気料金の目安をみることができたりします。

最近の機種では本体にそういった機能がある製品もあるかもですが、古い機種でもある程度の予測が立てられるので参考程度には役立つのかなと。

最後にテレビを登録。こちらも正直機能不足感が否めません。本当に必要最低限というレベル。

昨今はNetflixやAmazonビデオなどの動画配信サービスに対応したスマートテレビをお使いの方も増えているでしょうから、それらの機能に対応していないリモコンをわざわざ使う必要性が見いだせませんでした。

照明、テレビ、エアコンをアプリひとつで操作できるようになった点には「おぉ!」と感動したものの、何だか思っていたものとは色々ギャップがありました。

ハッキリ言って未完成です

そんなわけで軽く触ってみた印象をザッと挙げてみます。基本的にダメな点が多いので…箇条書きで。

  • 初期設定のネットワーク接続に苦戦。まずここで疲弊した。
  • 今どき5GHzに対応してないのは厳しい。せめてWPS対応してほしい。
  • とにかくアプリの品質が低い。謎エラー出るしすぐ落ちる。デバッグやらされてるのかと思うレベル。
  • アプリ上のボタンフィードバックが表示のみで反応の有無が判別不可。(ボタン押し続けるとON状態の画像に切替わるが、変更部分が指に隠れるので見えない)
  • 全体的にUIデザインがよろしくない。各設定を行う際にどこをタップすれば良いのかが分かりづらく、統一感もない。触っていてイライラする。
  • 各機器側の操作音はするが、アプリやここリモ機器側での反応がほぼなく「んん?」ってなる。
  • 外出先から操作する時に各機器がどういう状態なのか確認不能。おそらく一方的に操作信号を送信しているだけなので、現在の電源ON/OFF状態等が把握できないものと思われる。
  • ここリモアプリではなく各機器のリモコンで操作を行うと、アプリ側の表示が追従しない。前述した仕様であれば同期を実現するのは難しい印象。
  • ここリモの機器自体の状態がわかりづらい。アプリ側でトラブルが発生した場合、ハード側の状態確認がLEDランプのみというのは辛過ぎる。
  • 自分の環境だけか不明だが、数時間経過するとリモコンが反応しなくなり使い物にならない。
  • 設定をリセットし初期セットアップからやり直せば使えるようになるが、数時間後に同現象が再発。結果的におかえり、おやすみ機能がまったく機能しない。
  • カテエネアカウントでログインしても機器設定を保存していないため全部一から設定し直し。
  • ネットワーク接続状態が不明。前述のような状態に陥った時にどこまで動いてるのかわからない。無理。
  • 公式サイトのFAQが少な過ぎてトラブルシューティングになっていない。メインとなるアプリのFAQが2件のみ…これで何が解決できるというのか。

ハッキリ言って現時点のクオリティで「オススメできる製品」とは言えません。久しぶりに「物売るっていうレベルじゃねぇぞ!」と思いました。

現時点でPVのようにストレスなく操作できる状態を期待して購入すると、落胆度合いが大きいかと思います。

【中部電力】日々の暮らしを、もっと心地よく。ここリモ。

一応Amazon Alexaとの連携もできるようですが…電源ON/OFFくらいしかできないので微妙。

とはいえアプリで複数の家電を一括操作できる点は非常に魅力的です。スムーズに動きさえすれば、まさに全能感。既存のリモコンと同程度の操作が可能となればもう最高です。

アプリの品質向上や機能の強化、ネットワーク接続のトラブルまわりが解消すれば、良い製品になっていくでしょう。

まだまだ発展途上の「ここリモ」ですが、既存の家電をスマート家電化できるアイテムとして、今後の進化に大いに期待したいところです。

星影

星影

Tech Hunter代表。マルチポテンシャライト。 ガジェット、アニメ、ゲーム、インターネットが好き。

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