果たしてここまでハイスペックである必要があるのか?
HUAWEIのタッチ&トライイベントにて、同社のAndroidタブレット『MediaPad M5 Pro』をお借りしました。本記事では、MediaPad M5 Proを約2週間使ってみた感想を書いてみます。
本記事執筆時点で国内販売されているのは、カラーがシャンペンゴールドのWi-Fiモデルのみ。背面はメタルボディでサラサラとした手触りで、高級感のある仕上がりとなっています。
10.8インチの大画面IPSディスプレイ。解像度は2560×1600(WQXGA)約280ppiと高精細。2Kですよ2K。
ベゼルはホワイト。大画面タブレットだと縦横の向きを変える際に画面の端を持つことが多いため、これくらいのベゼル幅がちょうど良いです。
高精細ディスプレイと共にウリとなっているクアッドスピーカーにも注目。ハーマンカードンによるチューニングが施されたクリアなサウンドが楽しめます。
ハイレゾ音源再生にも対応し、高音質コーデックをサポート。後述する動画やゲームの迫力や没入感を高めてくれます。
インカメラは800万画素。
メインカメラは1300万画素となっています。
背面カメラが出っ張ってるタイプです。
底面に音量調節ボタンと電源ボタン、microSDカードスロット、USB Type-C端子が配置。
その他の側面にはボタンや接続端子はありません。
横持ち時に正面右側に位置する指紋センサーは、縦持ち時には正面下部中央に配置。縦向きにすると音量調節ボタンと電源ボタンが右下に来るためスクショが撮りづらいのが少々残念。
接続端子はUSB Type-Cのみということで
USB Type-A to Cケーブル付きの電源アダプタが付属。数年前のAndroidタブレットで主流となっていたmicroUSBケーブルは使い回せません。買い替え検討されている方はご注意を。
電源を入れて起動。標準ではホーム画面にすべてのアプリが表示されるタイプ。こちらは設定でドロワータイプにスタイル切り替えすることもできます。
Googleアプリや各種ツール系に加え、FacebookやAbemaTV、Yahoo!アプリなどが入っています。プリインストールアプリは大手キャリアのスマホ等と比べれば少なめな印象です。
Android OSのバージョンは8.0。CPUはKirin 960を搭載。
ストレージの空き容量は全64GB中、約50GBとなっていました。ファームウェアで約9GB占めているのがもったいなく感じますが、まぁこれだけあれば十分でしょう。
個人的にタブレットでよく使うのが電子書籍リーダーとしての用途です。そんなわけでさっそくKindleアプリを入れてみました。
横向きで見れば雑誌や漫画などを見開きで楽しめます。
Kindleの場合、ちょっと文字が読みづらい場合は縦向きにすれば1ページ分が大きく表示されるので、わざわざ拡大せずに済みます。ストアの表示も縦向きの方が見やすいですね。
電子書籍も良いですが、MediaPad M5 Proの真価が発揮されるのはやはり動画でしょう。画面の綺麗さもさることながら、とにかくサウンドが素晴らしいです。
プライムビデオやHulu、Netflixなど、動画配信サービスを活かすなら本タブレットがおすすめです。迫力にも驚きましたが、音量を上げてもまったく音割れしないのが低価格タブレットとの大きな違いでしょうか。
プリインストールされているYouTubeやAbemaTVでもある程度楽しめますが、リラックスした体勢で海外ドラマや映画を見るのはまた格別です。
ただ、外出先や電車内でサウンドを楽しむ際に気をつけなければならないのが接続端子です。
本製品に一般的な3.5ミリ端子のイヤホン・ヘッドホンを接続するには、USB Type-C -> 3.5ミリ端子への変換ケーブル(付属)を使わなければなりません。
Bluetoothのワイヤレスイヤホンなどをお持ちでない方や、本格的なハイレゾサウンドを楽しみたい方にとっては、やや不便な点と言えるでしょう。
続いていくつかメジャーなゲームを遊んでみました。
マインクラフトに
PUBG
デレステなどなど。
Kirin 960にメモリ4GBということで、ほとんどのゲームが快適に遊べました。今回プレイしてみたゲームだとアズールレーンだけ若干描写が重く感じましたが、これだけ例外的な様子だったのでアプリ側の問題かもしれません。
ちなみに本製品にはキッズモードが搭載されています。
子どもにゲームを遊ばせる場合に使えるアプリを制限したり、利用時間や休憩時間を設定したり、ペアレンタルコントロールをかけることができます。
また、手書き入力のできるスタイラスペン「M-Pen」も付属。これを使えばお絵かきもできちゃいます。
M-Penは最新技術を搭載したデジタルペンで、ショートカットに対応したボタンや4096段階の筆圧感知。
1回の充電で約50日間使用が可能といった特徴を持っています。充電は本体と同じくUSB Type-C接続。
画面にペン先で触れるとタップやフリックなどが可能。
入力欄を選択すると画面下に手入力領域が表示。
書いた文字を認識して自動変換してくれます。すごい。
標準で入っているノートアプリも非常に優秀なので、タブレットをメモ用途に使う方に重宝されそうです。
計算式や方程式なども認識するとか…かなり高機能です。
もちろんストアでお好みのペイントアプリをインストールすれば、イラストやデザインにも大活躍。書き味なめらかでスラスラ書けます。
ペンの話が出たところで、比較対象となりそうなiPad Proと並べてみました。外観的にはMediaPad M5 Proの頭が若干出る程度でほぼ同じ大きさです。
ディスプレイ領域はiPad Proが10.5インチということで、10.8インチのMediaPad M5 Proに軍配が上がります。
ちなみにiPad Proもクアッドスピーカー搭載ですが、配置は側面の上下となっている点が異なります。音質に関して言えば、個人的にはMediaPad M5 Proの方が音の広がりを強く感じました。とはいえiPad Proも負けてないのでこのあたりは好みかなと。
ひと回りサイズは小さくなりますが、本製品と同シリーズの8インチタブレットであるMediaPad M3とも並べてみました。
10.8インチと8インチのサイズ感は兄弟のような感じですね。名前に「Pro」の付かないMediaPad M5は約8.4インチなので、だいたい同じようなサイズ感だと思ってもらえればと。
MediaPad M3の側面はややエッジが効いていましたが、MediaPad M5 Proではカーブも滑らかになっています。実際持ってみると手に馴染みやすいデザインに進化したことがわかります。
本製品は高精細の大画面ディスプレイでクアッドスピーカー搭載、スタイラスペンやスマートカバー同梱という文句なしの構成です。これまでいくつもタブレットを使ってきた立場で見れば、間違いなく「買い」のタブレットと言えるでしょう。
しかしながら、スタイラスペンが不要な方にとっては約6万円とやや高めな価格設定が気になるところです。iPadであれば第6世代が4万円以下で買えますし、8インチクラスでコスパの高いAndroidタブレットも出揃っています。
また、MediaPad M3 lite 10 WPのような防水性能が無い点も要チェックです。
確かにスペックや充実した付属品を見ればコスパは高い方ですが、スマホとPCの間にある「選ぶには理由が必要」という微妙な立ち位置がタブレットの実情です。
購入検討にあたっては「果たしてここまでハイスペックである必要があるのか?」自分の用途と照らし合わせてよく考えてみるのが良いでしょう。
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