LINEがMVNO事業に参入
LINE株式会社がモバイル通信環境の向上を目指して立ち上げたMVNO事業『LINEモバイル』が、本日よりサービス開始しました。
サービス開始前に行われたブロガー向け説明会に参加してきたので「LINEモバイルとは一体どんなサービスなのか?」「ほかのMVNOとの違いは?」といった点についてご紹介します。
LINEモバイルとはどんなサービスなのか
当日はLINEモバイル株式会社、代表取締役社長の嘉戸彩乃氏がサービスの概要を説明。
サービスの企画、開発・運営に携わるメンバーも集結し、直接お話しを聞くことができました。
なぜLINEがMVNO事業を?
まずは「そもそもなぜLINEがMVNO事業を展開することになったのか?」本サービスの立ち上げに至った経緯が語られました。
嘉戸氏によると、LINEユーザーからは日々スマートフォンを利用したコミュケーションにおける様々な意見が寄せられており、不満の声を少しでも改善したいという思いがあったそうです。
スマートフォンのゲームや音楽・動画などの楽しいコンテンツが増えるたびに、「ギガが足りない」「動画を見すぎてTwitter/LINE両方つながりにくくて友だちと連絡がとりづらい」といった声も数多く出ています。
そこで、LINEは、スマートフォンユーザーの皆様とサービス/コンテンツとの距離を縮めて、もっと楽しめる環境を提供するために、モバイル通信サービスも手がけるべきだという考えに至りました。「LINEモバイル」で、今のスマートフォンの環境を変え、ユーザーとモバイルの関係をより良くしていく。このミッションのもと、LINEモバイルは、ユーザーの皆様の声に真摯に向き合うと共に、ユーザーの皆様のモバイルの付き合い方に寄り添い、共に変化し、サービスのご提供をし続けていきます。
コミュニケーションをもっと自由にするために「LINEができることはまだあるんじゃないか」その問題を解決するためにLINEモバイルが生まれました。
LINEモバイルが提供する2つのプラン
LINEモバイルでは大きく分けて「LINEフリー」と「コミュニケーションフリー」という2つのプランを用意しています。それぞれどういったプランなのか、ザッとご紹介します。
月額500円でLINE使い放題な格安プラン「LINEフリー」
「LINEフリー」は、月額500円でLINEの通話&トークなどのデータ通信が無料で利用できるプランです。1ヶ月のデータ通信量は1GBで「データ通信のみ」「データ通信+SMS」「データ通信+音声通話」の3タイプが用意されています。
データ通信のみ | データ通信+SMS | データ通信+音声通話(20円/30秒) | |
1GB | 500円/月 | 620円/月 | 1,200円/月 |
LINE使い放題の対象は、通話&トークのやりとりやタイムラインへの投稿・閲覧、スタンプや画像・動画ファイルの送受信などを含みます。これらのデータ通信量が無料となります。
LINEのコミュニケーションにおける通信料が無料になるということで、月の容量制限を超えてもLINEの利用だけは問題なく行えるようになります。メインのコミュニケーションアプリとしてLINEを使っている場合、非常に助かる仕組みとなっています。
FacebookとTwitterの通信量も無料になるプラン「コミュニケーションフリー」
「コミュニケーションフリー」プランでは、前述のLINE使い放題に加え、FacebookとTwitterのパケット通信料も無料となります。こちらは「データ通信+SMS」「データ通信+音声通信」の2タイプで、利用シーンに応じて3GB〜10GBまでの選択肢が用意されています。
データ通信+SMS | データ通信+音声通話(20円/30秒) | |
3GB | 1,110円/月 | 1,690円/月 |
5GB | 1,640円/月 | 2,220円/月 |
7GB | 2,300円/月 | 2,880円/月 |
10GB | 2,640円/月 | 3,220円/月 |
Facebook、Twitter使い放題の対象は、タイムラインやニュースフィードの閲覧・投稿およびプロフィールの編集などです。これは原則ブラウザや公式アプリでの利用が対象となります。
LINEと同様外部リンクへの接続とライブストリーミング動画は対象外。FacebookではMessengerも対象外となる点にご注意を。
一部対象外があるとはいえ、主要な機能の利用が無料となるのは同価格帯のMVNOと比べて大きな優位性があります。ユーザーの利用状況によってカウントフリーとなるサービスも今後増える予定とのこと。
ちなみに「LINEフリー」「コミュニケーションフリー」の両プランともに、余ったデータ通信量は翌月末まで繰り越し可能です。
LINEモバイルならではの特徴
さらにLINEモバイルならではの特徴として、以下の点が挙げられます。
- LINEの年齢認証・ID検索が可能
- SMS認証無しでLINEアカウントが作成可能
- 月額基本料金の1%がLINEポイントに
- LINEモバイルユーザーの誰とでもパケットを分け合える
- フィルタリングサービスを無料で提供
- LINEの公式アカウントからトークで問い合わせ
アカウント作成と年齢認証がLINEモバイルへの登録情報のみで完結。実際にやってみるとわかりますが、かなりスムーズにLINEの利用が始められます。
また、親が子どもにLINEを使わせる際にフィルタリングが無料で使える点も心強いです。「問い合わせがLINEのトークで可能」というのもLINEらしいと言えるでしょう。
さらにLINEモバイルユーザーの誰とでもパケットを分け合える仕組みもあります。大手キャリアでは家族間でパケットを分け合えたりしますが、LINEモバイルでは利用者誰にでも分け合えます。なかなか思い切ったシステムですが、実運用がどうなるか非常に気になるところですね。
通信エリア、速度はドコモと同等
LINEモバイルはNTTドコモの回線を借りているMVNO事業者です。(カウントフリーはMVNEであるNTTコミュニケーションズに委託)
そのため通信エリアや速度は基本的にドコモと同じです。
受信の最大速度は375Mbpsとなっていますが、この速度は現時点では限られたエリアしか対象になっていないので恩恵を受けられる機会はあまり無いかと思います。
【参考】受信時最大375Mbps対応エリア(PDF)
どのキャリアやMVNOでも言えることですが、肝心なのは自分が利用するエリアでの実測値です。このあたりは実際の利用者から今後報告が上がってくるでしょう。
端末とのセット販売も
LINEモバイルはSIMカードのみの契約に加え、端末とSIMカードをセットで購入することもできます。サービスリリース時点での端末ラインナップは以下の8機種です。
- AQUOS mini SH-M03
- arrows M02
- arrows M03
- P9 lite
- BLADE V7 Lite
- BLADE E01
- ZenFone Go
- ZenPad 7.0
楽天モバイルやDMMモバイルなど、主要なMVNOが取り扱っている端末を手堅く抑えている印象です。事業がスケールしていけば端末のラインナップも今後拡充されるでしょう。
まずは2万枚の限定販売。今後のサービス拡大に期待
さて今回ご紹介したLINEモバイルですが、サービス開始時はSIMカードの販売を2万枚に限定(10月1日から正式ローンチとのこと)、契約申し込みも現段階ではオンラインのみとなっています。
立ち上げたばかりのMVNOということで、まずは比較的リテラシーの高いユーザーに利用してもらい今後の展開を模索したいといったところでしょうか。
僭越ながら当ブログではイベント当日にLINEモバイルの先行申し込みをさせていただきました。そのため、正式リリース日より少し早めにLINEモバイルのサービスを利用しています。
LINE発のMVNO事業ということで、実際の使用感や利便性について気になる方も多いでしょう。そのあたりも含めて今後詳細を書いていければと思っております。
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