【個人事業主の引越し】e-Taxソフトで所得税納税地の異動届を出してみた

e-Taxを使ってみる

先日自宅を引っ越したため、個人事業の納税地変更を税務署に届け出することにしました。

不運にも確定申告の時期と被ってしまいまして、混雑しているであろう管轄の税務署に出向くのは気が進まなかったので、今回はe-Taxを使って異動届を出してみました。

【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

これまで確定申告書はfreeeの電子申告経由で提出していたこともあり、e-Taxそのものをまともに扱うのは初めてです。

所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出手続

個人事業主の自宅・事業所の引っ越しにより納税地が変わる場合は「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を提出する必要があります。

転居等により納税地に異動があった場合、住所を有する方がその住所地に代えて居所地を納税地とする場合、住所又は居所を有する方がその住所地又は居所地に代えて事業所等の所在地を納税地とする場合、又は、居所地又は事業所等の所在地を納税地としていた方がその納税地に代えて住所地を納税地とする場合の手続です。

[手続名]所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出手続|国税庁

国税庁の説明ページに申請書様式・記載要領のPDFファイルリンクも載っています。本記事執筆時点では以下のような様式となっていました。

この届出書の様式は変わることがあるようで、本記事のようにネットで検索して出てくるブログやYouTube動画の説明情報とは異なっている場合があります。最新の記載方法については国税庁のサイトを確認するようにしましょう。

管轄の税務署に直接赴く場合は、この届出書に必要事項を記入して提出すればOKです。

どのe-Taxソフトを使えば良いの…?

ネット経由でこの届出書を提出するには、e-Taxを使えばできるんだろうなぁと思い調べてみたところ…

厄介なことに納税関連の手続きで使う「e-Taxソフト」は、同一名称で複数のアプリケーションが存在することがわかりました。

  1. e-Taxソフト
  2. e-Taxソフト(WEB版)
  3. e-Taxソフト(SP版)

機能的には同じものが提供されているものかと思いきや、どうやら違いがあるようです。出だしから「なるほどわからん…」となってしまったので、自分なりに整理してみました。

①e-Taxソフト

末尾に括弧書きの付いていない「e-Taxソフト」は、パソコンにダウンロードして使用する形式のものです。

要するにWindows向けのクライアントソフトですね。3種類存在するe-Taxソフトの中で最も多くの手続に対応しています。

利用可能手続一覧 | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

基本的にこれを使っておけば間違いないです。

他のe-Taxソフトと区別しやすくするため、本記事では以後「ダウンロード版」と称します。

なお、macOS向けには本ソフトは提供されていません。

②e-Taxソフト(WEB版)

e-Taxソフト(WEB版)」は、Webブラウザ画面で一部の申告・申請・納税の手続きが行えます。

e-Taxソフト(WEB版)について | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

前述のダウンロード版と異なり、ソフトのダウンロード&インストールは不要です。

…といった説明がありましたが、実際は以下のような事前準備が必要です。

  • 電子証明書等の取得(要マイナンバーカード)
  • 事前準備セットアップツールのインストール
  • ブラウザ拡張機能e-Tax APのインストール
  • ↓ログイン方法によっては必要
    • マイナンバーカードを読み込めるICカードリーダライタの用意
    • スマホでのマイナンバーカード読み取り環境用意
    • マイナポータルとの連携

また、申告・申請できる手続き内容も限定されているので、WEB版でやりたい手続きができるかどうかは、e-Taxの説明ページで確認するようにしましょう。

e-Taxソフト(WEB版)で作成可能な手続| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

e-Taxソフトとe-Taxソフト(WEB版)の違いは何ですか。| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

③e-Taxソフト(SP版)

e-Taxソフト(SP版)」は、WEB版をスマートフォン利用者向けに最適化したものです。SPは【Smart Phone】の略称ですね。

WEB版と同じく、SP版でも利用可能な手続きが限定されているため、こちらも要注意です。

e-Taxソフト(SP版)で作成可能な手続| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

ダウンロード版の「e-Taxソフト」を使う

WEB版には「法人設立及び異動手続関係」というものがあったのですが、今回必要となる個人事業主向け所得税関係の異動届出には対応していなかったため、①のダウンロード版をインストールすることになりました。

基本的にはe-Taxのダウンロードページに記載の手順に沿って、ルート証明書や信頼済みサイト登録ツール等、必要ソフトのインストールを行なっていけばOKです。

手元の環境ではe-Taxソフトのインストールが正常完了しない問題が発生してしまったので、別記事に対処法を書いておきました。もし同一のエラーに遭遇された場合は、こちらの記事にも目を通していただければと思います。

事前に必要なソフト一式がインストールできたら、e-Taxソフトを起動し、税目プログラムのインストールや利用者ファイルの新規作成等を済ませましょう。

e-Taxソフト(税目プログラム)インストールに関するマニュアル| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

利用者ファイルの作成方法等について教えてください。| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

異動届出書を作成する

e-Taxソフトの初期設定ができたら、操作マニュアルに沿って異動届出書を作成していきます。

マニュアルコーナー | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)

申告・申請等の作成(1/3)

以下、e-Taxソフト上での操作手順を説明します。

  1. 画面左にあるメニュー項目から「作成」-「申告・申請等」をクリック
  2. 「新規作成」をクリック
  3. 作成する手続きの種類は「申請・届出」を選択
  4. 税目で「所得税」を選択して「次へ」ボタンをクリック

申告・申請等の作成(2/3)

  1. 選択可能帳票一覧から「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出」の+ボタンをクリック
  2. 「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」にチェック
  3. 「次へ」ボタンをクリック

ちなみに「帳票表示」ボタンを押すと、作成対象となる帳票のプレビューが表示されます。作成しようとしている届出書が間違いないか確認しましょう。

申告・申請等の作成(3/3)

  1. 「申告・申請等名」に任意の名前を入力
  2. 「OK」ボタンをクリック

申告・申請等基本情報

必要な項目を入力していきます。

  1. マイナンバーカードの読み取り(個人番号等の取得情報が自動入力されます)
  2. 提出先税務署(引越し前の管轄税務署を設定)
  3. 提出年月日を入力
  4. 氏名と納税地の情報を入力(納税地は引越し前の情報を入力)
  5. 生年月日、性別、職業、屋号、世帯主等の情報を入力(還付先金融機関等の情報は不要であれば未入力で大丈夫です)
  6. 「OK」ボタンをクリック

帳票一覧に追加された「作成中」の帳票をダブルクリックで開きます。

届出書の画面が表示されるので、以下に添付した画像の黄色で塗りつぶしている項目の不足部分を埋めましょう。上半分は先ほど入力した情報が反映されています。

上部の選択項目については、それぞれ以下を選択。

  • 所得税
  • 異動
  • 住所地

「1 納税地」は自宅兼務であれば「住所」を選択。「(2)異動・変更後の納税地」に新しい住所を入力します。

今回のように「異動」の場合は、ここまで入力できたら「作成完了」ボタンをクリックしましょう。

電子署名

帳票一覧の状態が「作成完了」になったら、画面左にあるメニュー項目から「署名可能一覧へ」-「電子署名」をクリックして、先ほど作成した帳票を選択。

電子署名でマイナンバーカードの読み取りを行います。

認証局サービス名で「公的個人認証サービス(マイナンバーカード)」を選択して

署名用パスワードを入力。

電子証明書の署名確認画面で「OK」ボタンをクリックすると

電子署名完了です。

異動届出書の送信

手順が長いですが…これで最後です。

画面左にあるメニュー項目から「送信可能一覧へ」-「送信」をクリック。作成した帳票を選択して「送信」ボタンをクリックします。

送信確認のメッセージが表示されるので「OK」ボタンをクリック。

送信結果の受信通知格納先フォルダを選択します。

無事に送信完了すると「即時通知結果表示」画面が出ます。受付番号等の情報が含まれているので、必要に応じて保存・印刷しましょう。

画面に記載されているとおり、審査結果はe-Taxのメッセージボックスで確認できます。

以上、e-Taxソフトを使った「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」提出の流れでした。

まとめ

今回初めてe-Taxソフトを使用しましたが、事前準備や提出に至るまでの手順が多くて大変苦労しました。e-Taxソフトに関する情報や操作マニュアルも散財しており、目的の届出書を1枚作成・送信するだけで疲れ果てました…

届出書の作成に慣れている方は、税務署へ直接提出しに行くほうが早いかもしれませんね。

一方で、利用環境を整えて申請の流れさえ理解してしまえば、以前提出した届出書の確認や新規作成&送信が自宅で完結できるため、納税関連の手続が非常にスムーズに行なえます。

個人事業主の方でe-Taxソフトをまだ導入されていない方は、時間の余裕がある時に利用環境を整えてみることをおすすめします。

たとえネット経由でも、確定申告の期限間際はアクセスが集中してシステム障害が起きてしまうケースもあります。税務署の混雑はある程度予想できますが「いつでもネットで出来るから」と油断していて虚を突かれた方も居るのではないでしょうか…

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また、毎月の月末には定期メンテナンスも実施されているので注意です。こちらはe-Taxの「利用可能時間カレンダー」で確認できます。

e-Taxを利用した納税関連の手続きを行う際はこのような点にも気を付けつつ、余裕をもって対応できるようドッシリ構えておきましょう。

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現場からは以上です。

星影

星影

Tech Hunter代表。マルチポテンシャライト。 ガジェット、アニメ、ゲーム、インターネットが好き。

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コメント

    • オーズ
    • 2022.07.13

    記事内容でも触れられていましたが、
    現時点で e-Taxソフト(WEB版) では「個人事業主向け所得税関係の異動届出」は提出できないとのことです。
    関東信越国税局に問い合わせたところ、システムがまだ対応していないとのことでした。

    当方Mac 信者なので、できれば Windows なしでやりたかったのですが当分は無理そうです(;´Д`)

    • 感謝マン
    • 2023.03.11

    こちらの記事を参考に申請を行うことができました
    参考になる記事をありがとうございました

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