35歳になったので「プログラマ35歳定年説」について考えてみた

35歳になりました

こんにちは、星影(@unsoluble_sugar)です。

本日誕生日を迎えまして、35歳になりました。忘れないうちに欲しいものリスト貼っておきます(速攻魔法発動)。

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ついにその日が来た

さて、ITエンジニアとして社会人デビューを果たして、はや12年目。ついに恐れていた日がやってきました…

そう「プログラマ35歳定年説」その日です。

最近ではあまり聞かなくなったので、若い方は聞き覚えのない言葉かもしれませんね。

「プログラマ35歳定年説」とは

Wikipediaに「プログラマ定年説」の項目があったので引用させていただきます。

プログラミング技術は進歩が激しく、技術の陳腐化も著しいため、プログラマは常に新しい技術に目を向け習得していくバイタリティや、場合によっては永年の努力によって培ってきた技術を捨て去る柔軟性が必要である。また、年功序列的賃金体系のもとでは、高年齢のプログラマはコストが高すぎると考える企業がある(特にプログラミングを単純作業と考える企業に多い)。俗にIT土方とも呼ばれデスマーチとなった場合は徹夜が続いたり体力が必要となってくる。そのため、プログラマとしての限界は30~35歳前後であるという説が存在した。これは「プログラマ35(30)歳定年説」と呼ばれる。現在では経験豊かなプログラマにも一定の需要があり、プログラマ定年説はもはや過去のものとなっているが、コストの観点からは、一定年齢に至ったプログラマに、より単価の高いシステムエンジニアや営業へ転向がすすめられることがある

近年ではアメリカ合衆国でも40歳以上のプログラマも珍しくはなくなっており、極端な事例ではWindows NT開発者で知られるマイクロソフトのデヴィッド・カトラーは70歳を超えてもソースコードを自ら記述しており、実例からも35歳定年説は否定されている。ただし、パソコン黎明期といわれた1980年代においては、30歳代までに巨万の富を稼ぎ、そのまま引退する事例も多かった(HyperCard の開発者ビル・アトキンソンなど)。対して、日本では、長時間労働、下流工程での賃金の頭打ちなどにより35歳定年説がささやかれている。

プログラマ – Wikipedia

はい。言ってしまえば、年功序列社会が生んだ過去の産物だと思ってます。実際の現場では40代、50代を超えても活躍されてる方も居るでしょう(60代は身近で見かけたことない)。都市伝説みたいなものですね。

前述の引用にもあるように、よく挙げられる要因は以下のようなものでしょうか。

  • 体力の低下
  • 学習能力の低下
  • マネジメント職へのシフト

それぞれについてサクッと考えてみました。

体力の低下

僕も体力があるとは言えない方ですが、これは個人差もあるでしょう。座り仕事なので運動不足になりがちとはいえ、世の中には筋肉ムキムキのエンジニアも居るので…筋肉がすべてを解決してくれるのでは(適当)。

まぁ普通にフルタイムで週5日は「働きたくないでござる!絶対に働きたくないでござる!」って感じなので、週3、4日くらいで疲れが蓄積しないように働きたいものですね。

嘘です。ほんとは週休7日が良いです。

デスマで残業・徹夜続きになると体力が削られるとかは「そりゃそうだろ」としか思いませんし、それ体力の低下が原因じゃなくて、劣悪な労働環境とかプロジェクト管理がずさんとか経営者が無能とか別の問題が(文章はここで途切れている)

学習能力の低下

ちょっと前に話題になったっぽいTwitterまとめがあったので一応載せておきます。

「プログラマー35歳定年説は大学で学んだ先進技術に対する知識の貯金がだいたい10年で尽きるから」→「わかる」「勉強しないとついていけない」という実感が集まる – Togetter

これについてですが、僕は大学で情報技術をほぼ学んでいない人間なので「はぁ…」という感じでした。知識貯金が尽きたと感じるなら「また貯めれば良いだけでは?」としか思いませんしお寿司。

情報通信系の大学ではなかったこともあり、授業でやったことと言えば、せいぜいHTMLでめっちゃ簡素なページ作る程度だった気がします。というかそのレベルなら中学生くらい(小学5、6年生かも?)でやった記憶。むしろ授業外で、PSPハックしたり携帯やデスクトップカスタマイズにハマったりエミュいじったり、趣味でプログラミング的な要素に触れる機会の方が多かったですね。

あと大学は学問を学ぶところであって、社会人として働くための知識を得る場所ではないと思ってるので、ちょっと何言ってるかよくわからなかったです。「すでに持っている知識で仕事に活かせるものがある」というのは、この業界に限らずよくあることでしょうけど。そもそもプログラマ全員が大学出てる前提の時点で主語がデカいですよね。

逆に知識が蓄積することで、学習能力自体は向上するのが自然じゃないですかねー。単純に勉強すればするほど、実践経験に加えて知識の引き出しが増えるわけですから、初心者〜中級者向けの本ならパラ見で「ほーん」って感じで大体わかるでしょう。

おそらく「学習能力の低下」と言われることの大半の理由が「勉強する時間が無い」ということなのかなと。時間の確保と学習能力の低下は直接結びつかないので、わりとこじつけ感あります。

デスマで残業・徹夜続きになると学習時間が確保できないとかは「そりゃそうだろ」としか思いませんし、それ学習能力の低下が原因じゃなくて、劣悪な労働環境とかプロジェクト管理がずさんとか経営者が無能とか別の問題が(文章はここで途切れている)

「勉強したくない」人のことは知らないです。

マネジメント職へのシフト

これは組織で働く上では半ば「しょうがないのかなぁ〜」と諦めてる節もあります。まぁ普通に考えて、経験ある人に取りまとめをお願いしたいってのは至極当然ですよね。

一方で「歳をとっても現役プログラマとして働き続けたい!」という人も居るわけで、そういう人にマネジメント職をお願いすると、本人の希望に沿わず会社から離れてしまうという問題もあります。

会社的には純粋にコストの問題もあります。プログラマの給与を年齢に応じて上げなきゃみたいな風潮ありますが…こんなもん技術職なんで職能に応じて評価軸作れば済む話です。年功序列なんて制度さっさと滅ぼした方がお互いのためです。

大体現場の実践知識があることとマネジメント領域の仕事はまったく別物ですから、そのままスムーズにシフトできる人材なんて限られていますよね。

あとは若いマネージャーと高齢プログラマの相性がよくなかったりもするのでしょうか。僕はわりと年齢気にせず人と接するタイプなのでよくわかりませんが、本人同士のコミュニケーションスキルに依存する部分も大きいかもしれませんね。

個人的には開発現場の人をそのままマネジメント職にシフトさせるより、マネジメント領域専門で食ってきた人をあてがうのが適切かと思います。スタートアップとか社内リソース足りない環境であれば選択の余地なくやらざるを得ない状況も多いでしょうけど、ある程度経営が安定してる会社なら札束で殴って外部の人を取り込む方が、結果的にプロジェクトがスムーズに進むはずです。

僕もいい歳なのでマネジメントやらコーチングやらチーム組織論やらの本読んで勉強してますが、現実との乖離が激しくてしんどいケースもありますよね。できれば生涯現役でプログラマとして働きたい人間なので、ちょこちょこフリーランスでひとりで開発の仕事を続けられる土台作っていこうかなと思ってます。

メインの仕事でマネジメントやることになっても、サブで個人開発できる状態であればストレスも軽減できますからね。ただ、うまくハマればマネジメント職で活躍できる未来もあるので、何らかの形でそちらの経験も積んでいきたいと思っています。

そんなものはなかった

というわけでザックリ「プログラマ35歳定年説」について考えてみたのですが、僕の結論としては「そんなものはなかった」という感じです。

実際いまも現役で開発やってる立場としては、特に限界を感じることもほとんどないです。とんでもねぇポテンシャルを持った若者に出会うことがあったり、若手の使ってる技術が初めて見るものばかりだったり、しばらく触ってなかったライブラリがアップデートで別物のようになっててつらみを感じる状況も多々ありますが、それはそれ。これはこれ。

自分が使う技術であれば学べば良いことですし、技術レベルを他人と比較したところであまり意味は無いでしょう。もちろん「ロールモデルとなる人物を見つけてそこを目指す」のは良いことです。モチベーション維持にもなりますからね。

逆にこの業界は常に新しいことが学べるので、個人的には退屈せずめっちゃ楽しい世界で最高だと思ってます。

たまに「勉強つらい」「新しいこと覚えたくない」みたいなプログラマの方も見かけますが、純粋に「プログラマに向いてないのでは?」と感じます。むしろそんな状態になってまで続けてる意味がわからないんですよね。人生一度きりしか無いわけですし、職場変えるなり自分に合う仕事探すなり、解決手段はいくらでもあると思うんですよね。

プログラマからマネジメント職へのシフトの話もそうですが、進む道はひとつではないはずです。人材育成やアドバイザー的な立場にもなれるでしょうし、スタートアップやベンチャー企業で新規事業の立ち上げに協力するとか、フリーランスで個人開発するなり起業してバリバリ開発できる会社作るとか、ちょっと考えただけでもわりと選択肢多いですよね。

そういうの考えると、35歳になってようやくスタート地点に立てた気もします。だって社会人としては、これから本来の定年までの方が圧倒的に長いわけですからね。

たまには少し立ち止まってみて、これからどう生き抜いていくのか考えることも大事ですね。

僕は基本的に小規模で働くことが好きなので、考えに煮詰まったら本に頼ることにしてます。できれば現場の生の声を聞くのが一番良いんですけどね。話聞ける人数が限られていると結局その人たちの主観に偏ってしまうので。

公の場に出された題材をもとに、書評や勉強会で得られる意見を含めて反芻する。そうやって自分の道を見つけるのが良いのではないかと思います。

以上、35歳になったとあるプログラマの戯言でした。

星影

Tech Hunter代表。マルチポテンシャライト。 ガジェット、アニメ、ゲーム、インターネットが好き。

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