【書評】ブギーポップ・ウィズイン さびまみれのバビロン

『ブギーポップ・ウィズイン さびまみれのバビロン』

ブギーポップシリーズ最新作『ブギーポップ・ウィズイン さびまみれのバビロン』を読みました。ネタバレありな感想など。

あらすじ

何も思い出せない―私が目覚めたとき、そこにあったのは奇妙な黒帽子と黒マント、そして生物を一瞬でばらばらにしてしまう能力だった。そんな私の耳に届く不気味な噂“ブギーポップは人が最も美しいとき、醜くなる寸前に殺してくれるんだって”その特徴はなんだか、私の黒帽子と変に一致していて…。

何も覚えていない彼女と、何もかもを拒絶している彼女と、自分では何も決められない彼女が出会うとき、世界の裏で錆びついていたはずの呪いが動き出す。人々の心に染み込んで、すべてを崩壊させてしまう悪夢が滲み出てくる。生ける屍が徘徊する衰都の騒乱を征するのは死神の断罪か、幻想少女のイマジネーションか…?

内容はこんな感じ

※以下、ネタバレあり

記憶の無い少女にとって、唯一の手がかりであるブギーポップ。彼女たちはブギーポップの格好に扮し、街を徘徊する屍の謎をたどっていく。

結果としては、またもや水乃星透子の思念に囚われた人々のお話。既出キャラとして、末真和子、ユージン(妄想)などが登場。シリーズ刊行から15年が経過しているにもかかわらず、読み進めていくにつれ謎が謎を呼ぶ感じの安定感が凄い。

終盤、”忘却”を植え付けるMPLS<パラダイム・ラスト>の能力を手にしたフットプリンツと、不破明日那(またはブギーポップ)がどう戦うかが見ものだったのだが…パラダイム・ラストの持ち主だったエセユージンの自然消滅(なんか水乃星透子に諭されry)によりあっさり終結。少しモヤっとした。

いつものことながら、正直ブギーポップにもう少し活躍して欲しい。完全に余談ですが、個人的にシリーズ最高傑作だと思っているのは『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』。

いやまぁ、これこそ刊行年(1998年)であるシリーズ初期の傑作なわけですが、未だにこれを越える作品に出会えていないのが残念なところ。でもおもしろいから新刊出るたびに読んじゃうんだけどね。広げに広げまくった風呂敷、たためる日はいつか訪れるのでしょうか…

星影

Tech Hunter代表。マルチポテンシャライト。 ガジェット、アニメ、ゲーム、インターネットが好き。

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コメント

    • ハブインザフランキス
    • 2018.07.08

    パンドラが最高傑作という意見には同意です!

    • コメントありがとうございます!パンドラは6人の能力や背景設定もよくできており、ストーリー構成も抜群ですね。いま読み返しても、非常に完成度の高い作品だと思います。アニメやるならぜひこれをお願いしたいところです。

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