「Windows server 2012 の IE10 には Flash Player プラグインが同梱されている」という言葉の罠
ここ数週間、ずっとこの言葉の罠に囚われていました。星影です。
Windows Server 2012 で Flash 表示したかっただけなんですが、ちょっと苦戦しました。MSに問い合わせればいいのか、Adobeに問い合わせればいいのかとか、ぶっちゃけどうでもいいことに神経使ったりして疲れました。
苦労した甲斐あって、ようやく真相に辿り着いたのでメモしておきます。
Flash Player はあるの?無いの?
「Windows server 2012 IE10 Flash Player」とかでググると、ヒットしてくるのは「Windows server 2012 の IE10 には Flash Player プラグインが同梱されている」とか「IE10でのFlash Playerに対応した脆弱性に対処する更新プログラム提供」という類の言葉ばかり。
そして、必ずと言って良いほどセットで説明されているのが Windows 8。確かに Windows 8 の IE10 には、Flash Player がバンドルされており、OSのインストール後、何の設定も無しに Flash の表示ができます。
この流れを見ると「Windows server 2012 の IE10 には Flash Player が入っている」「更新プログラムが提供されてるんだから、Windows 8 と同じようにバンドルされてるんだよね?」と認識するのが自然ですよね。
でも、インストール直後の 「Windows Server 2012 には、Flash Player はインストールされていない」のです。
Flash Player がインストールされていないんだから、Flash なんて表示できるわけがないよね!
でも、Windows Server 2012 向けにも更新プログラムが提供されてるんだよね!
マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ: Internet Explorer 10 における Adobe Flash Player の脆弱性に関する更新プログラム
/(^o^)\
わけがわからないよ
理想と妄想と現実が交錯したなか辿り着いたのが、山市 良氏のブログ記事です。
Windows 8 の IE 10 に標準で組み込まれている Flash Player のセキュリティ パッチ (KB2755399) の配布が開始されましたが、これは Windows Server 2012 の GUI 使用サーバーにも影響する場合があります。“場合があります”とは、既定のインストールでは、Windows Server 2012 に Flash Player は組み込まれないからです。
山市良のえぬなんとかわーるど: Windows Server 2012 RTM > IE 10 用 Flash 更新(KB2755399)について
やっぱデフォルトで Flash Player は入ってないんですね。
そして、続く記述に一筋の光が。
Windows Server 2012 では、[ユーザーインターフェイスとインフラストラクチャ]の[デスクトップ エクスペリエンス]がインストールされている場合に、Flash Player が組み込まれます。
山市良のえぬなんとかわーるど: Windows Server 2012 RTM > IE 10 用 Flash 更新(KB2755399)について
デスクトップ エクスペリエンス…だと……
つまり・・・どういう事だってばよ?
要するに「デスクトップ エクスペリエンス」をインストールすれば、Flash Player も組み込まれるということらしい。
デスクトップ エクスペリエンスは、Windows ストアと Windows ストア アプリのサポートを有効にするために、インストールするというのが通常の目的の模様。
細かいところまで見てないけど、サーバーOSをクライアントOS(2012の場合はWindows 8)に寄せるためのオプション機能みたい。そういえば、2008にもあった気が…
デスクトップ エクスペリエンスを追加する
というわけで、デスクトップ エクスペリエンスを追加してみた。
まずは、サーバー マネージャーから「役割と機能の追加」を選択。対象サーバーを選択して「機能」まで進める。「ユーザー インターフェイスとインフラストラクチャ」の「デスクトップ エクスペリエンス」にチェックを入れる。
チェックを入れると、合わせてインストールが必要な機能のダイアログが表示される。これ入れないと使えないんだから、選択の余地無いよね?
チェックを入れたら次へ進む。
最後にインストール オプションの確認画面が表示されます。
「必要に応じて対象サーバーを自動的に再起動する」にチェックを入れると、言葉のとおり自動的に再起動してくれます。
過去のOSでは手動で再起動が必要でしたが、この機能はありがたいですね。
インストール開始。
2回くらい再起動されたかな?
ねんがんの Flash Player をてにいれたぞ!
というわけで、無事に Flash Player をインストールすることができました。
ちなみに、IE10 に組み込まれる Flash Player のバージョンは、11.3です。
この記事を書いてる時点での Flash Player の最新バージョンは、11.5です。この辺りをAdobeに問い合わせたところ、Windows Server 2012 では、最新バージョンである11.5をサポートしていないとのことです。
IE10 の Flash Player は、Windows Update で更新されるので、他OSの Flash Player とは扱いが違うということでしょうか。
まとめ
「Windows server 2012 の IE10 には Flash Player プラグインが同梱されている」
この言葉は決して間違ってはいません。
ただ、非常に認識違いが起こりやすい書き方だと思います。
Windows 8 の IE10 で、 Flash が再生できることを知っている人は 「同梱されている = インストールされている」と認識してしまうでしょう。
でも、実際はこうなのです。
「Windows server 2012 の IE10 には Flash Player プラグインが同梱されているが、使用するにはデスクトップ エクスペリエンスのインストールが必要」
Flash Player がインストールされていない状態で、いくらインターネット オプションをいじったり、更新パッチをあてようとしようが無意味ってことです。
というわけで、Windows Server 2012 の IE10 で Flash Player を扱う際のメモでした。
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