リーダーではない人にも読んでほしい一冊
久しぶりに超良書に出会ったので知見共有しておきます。
本書のタイトルは「信頼されるリーダーになるたった1つのこと」となっていますが、リーダーではない人にもぜひ読んでほしい一冊です。
ここでは序章の内容について、軽く触れてみたいと思います。
無意識の思い込みがメンバーの信頼関係を崩してしまう
本書では、これからのリーダーに知っておいてほしい「たった1つ」のこととして「アンコンシャス・バイアス(無意識の思いこみ)」を知ることが挙げられています。
無意識の思い込みというのは「知らず知らずのうちに、つい偏ったモノの見方をしていることがある」ということです。
わかりやすい例で言うと
- 男性・女性だから
- 理系・文系だから
- 関西出身だから
- ひとりっ子だから
- AB型だから
こういったステレオタイプな決めつけや「以前こんな失敗をした。だから今回もダメだろう」といった、過去に囚われた言動もアンコンシャス・バイアスのひとつです。
各々が抱くこうした無意識の考えや言動が、結果的にメンバーを傷つけたり状況判断を誤ってしまうことにつながってしまうことがあります。
リーダーの無意識がチームに与える影響は大きいため「メンバーを不快にさせていないか」「チームの雰囲気にネガティブな変化が感じられないか」など注意深く観察する必要があります。
メンバーの変化を感じ取ったら歩み寄ったり、問題の原因がわからなくとも「なぜ」と問うのではなく「ではどうするか」と考え、素早く行動することが大切です。
自分の言動を振り返り「変わろう」とする姿勢がチームに大きな変化をもたらします。
一人ひとりが無意識の思い込みを知ることが重要
本書の構成は以下のとおりです。
序章 無意識の世界を知ることで、人も組織も変わる
第1章 「メンバーが理解できない」と嘆くリーダーへ―価値観の違うメンバーと信頼関係を築く
第2章 「メンバーのやる気をひき出せない」と悩むリーダーへ―メンバーの価値を高める
第3章 「ビジョンが実現できない」ともがくリーダーへ―無意識の壁を乗り越える
第4章 「イノベーションを起こせない」と苦しむリーダーへ―負のループから脱却する
第5章 「働き方を変えられない」と困惑するリーダーへ―メンバーの自律的成長を促す
終章 無意識に振り回されない組織をつくる
身に覚えのあり過ぎるリーダーあるあるが盛り込まれていますね。リーダーに向けて書かれた本ですが、無意識の思い込みは誰もが持っていることを知ることが重要です。
集団協調性バイアス、正常性バイアス、エキスパートエラーなど、仕事をする上で少なからず経験のあるバイアスについても書かれており、終始頷きながら読んでいました。
ただし、本書を読んでリーダーだけが解決策を考え指示するだけでは、メンバーの自律性が損なわれ「負のループ」に陥ってしまいます。
メンバー一人ひとりが「誰のために、何のために働くのか」を問うことが、働き方を変えていくエンジンになるのです。
冒頭にも書きましたが、本書はリーダーではない人にもぜひ読んでほしい一冊です。本書の考えをメンバー全員が共通認識として持っていれば、チームがより良い方向へ進んでいけることでしょう。
「メンバーが思い通りに動いてくれない」「プロジェクトがうまく進まない」といった悩みを抱えているリーダーには「無意識の思い込みに捕らわれていないか」を見つめ直すきっかけとして手にとっていただきたい。
コメント