cocos2d-xではじめるスマートフォンゲーム開発
仕事でiOS&Androidアプリの開発スピードを上げるために、オープンソースのフレームワーク「Cocos2d-x」の採用を検討。
存在自体は聞きかじっていたものの、実際に触るのははじめてだったため、2014年11月時点での最新バージョン(Cocos2d-x 3.2)に対応しているという本書を手に取りました。
概要把握としては十分な一冊
ざっくりした内容は以下のとおり。
- 入門書的な位置づけ
- iOS&Androidの開発環境構築手順あり
- 基本的にはXcodeを使ってC++でコードを書く前提
- C++自体についての説明はあまりない(C++11でよく使われる機能の説明などはあり)
- サンプルゲーム3本紹介しつつそのコードをたどっていく流れ
- iOS&Androidで解像度毎に必要な画像素材の説明
- 各種ライブラリや素材作成に便利なツールの紹介など
全体的に読みやすく、概要を把握するには十分な一冊でした。一週間くらいで読み終わる感じです。
特にサンプルゲームは素材や完成版のソースコードが用意されており、本に沿って写経していくだけで簡単なゲームアプリの作り方が理解できます。
先日買ったcocos2d-x本のソースを写経してかわずたんキャッチを辿っている。素材が揃ってるので数時間で遊べる段階までできた pic.twitter.com/0BqRxmipyJ
— 星影 (@unsoluble_sugar) 2015, 1月 23
できたっぽい。とてもいい教材っぽい pic.twitter.com/guzK88LftM
— 星影 (@unsoluble_sugar) 2015, 1月 23
サンプルのジャンルも、落ち物、横スクロールアクション、パズルといった王道的なものを紹介。いずれもシンプルですが「こういうものができるのか〜」というイメージが湧くものになっています。
かわずたんキャッチ!
プログラミング初心者がこの一冊で…というのはさすがに厳しそうですが、すでにスマホアプリ開発をしている方であればスムーズに読み進められる印象です。
著者さんのブログでもセールスポイントなどの内容紹介がされているので、こちらも参考に。
『cocos2d-xではじめるスマートフォンゲーム開発』という本を出版します – 5.1さらうどん
少し気になる点も
少し気になったのは、コード変更の説明で示されている内容がちょこちょこ入れ替わっていたり、説明が抜け落ちている部分がありました。また、見出しの番号が間違っているなど、しばしば眉根を寄せてしまう部分がありました。
幸いにも完成版のソースコードがGitHubに公開されていたり、サポートページである程度補完もされているのでそれほど問題ないレベルかと思います。
このあたりは第二版以降で改善されるとありがたいですね。
ゲーム開発は奥深い
最後に著者さんが公開していた、インディーゲーム開発アンチパターンとその解決策的なスライドを置いておきます。公開当時も凄い数のはてブが付いていました。
触ってみると分かるゲーム開発の奥深さ。はじめの一歩として相応しい一冊です。
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