Web や Open の可能性について考える一日『Mozilla Open Web Day in Tokyo』
10月5日に開催された『Mozilla Open Web Day in Tokyo』に行ってきました。
Mozilla Open Web Day in Tokyoは、Mozillaに関係する東西さまざまなコミュニティや研究プロジェクトが集結し、その成果の展示・発表を行う収穫祭的なイベントです。
当日は台風が近づく悪天候となりましたが、会場には多くの開発者が足を運んでいました。
展示の中心はFirefox OSに
会場に来てまず驚いたのが、出展していた多くのコミュニティが「Firefox OS」を中心とした成果を展示・発表していたことです。
MozillaといえばオープンソースのWebブラウザ「Firefox」のイメージが強いと思いますが、これだけ多くのコミュニティがFirefox OSを扱っているとは想像以上でした。
昨年のいまごろに開催された関東Firefox OS勉強会にて『Firefox OSがモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』というタイトルで登壇したことがあるのですが…
本イベントのフタを空けてみると「正直すまんかった」という感じです(笑)
Firefox OSコミュニティ
僕も所属しているFirefox OSコミュニティ(全然仕事してなくてすみません)では、Firefox OS端末の試用会やアイロンビーズ × NFC ワークショップ、AppMakerのデモなどを行なっていました。
本コミュニティには、関東Firefox OS勉強会の主催者やFxOSソースコードリーディング、html5jなどで活躍されている、その手のスペシャリストな方々が多く参加されています。Firefox OSの最新情報もいち早く入ってきますので、興味のある方はぜひご参加いただければと思います。
TechBooster
Android界隈では有名なコミュニティTechBoosterさんのブースでは、Firefox OS開発者向けの技術情報誌の展示、販売を行っていました。
国内では販売されている書籍がまだ少ない現状、Firefox OSコミュニティの方々が執筆された貴重な技術資料ということもあり、開始早々に在庫がなくなってしまうほどの爆売れっぷりでした。
株式会社システナ
Firefox OSを載せた自社開発タブレットの展示やデモ、Webアプリケーションの取り組みなどを紹介していました。
Firefox OSタブレットのパイオニアとして非常に期待しています。
関西大学総合情報学部松下研究室
Firefox OS上で取り組んでいる研究をいくつか紹介していました。「冒険うぃる! mk2」は歴史の学びに特化された街歩きアプリで、Ingressのマップや陣取りの概念が無い版みたいな感じでした。小・中学校等で行う地域の歴史教育とかに使えそうです。
タオソフトウェア株式会社
Cardboard互換の3DVRゴーグル「タオバイザー」を作成。Firefox OSではWebGLを使用することで 3DVRの世界を楽しむ事ができます。会場ではAndroid版の3DVRの体験デモを行っていました。
価格は1500円ほどと、VRゴーグルとしては破格のお値段になっています。ミクさんモデルのVRが人気で、上を見上げると……なるほどでした。
公立はこだて未来大学 塚田研究室
雨男・雨女、晴れ男・晴れ女を判定するアプリ「晴れ時々雨People」を見せてもらいました。外出時の天気の状態を端末側で自動的に調べ、個人のデータとして蓄積することでユーザが雨女か、晴れ女であるかをレベル分けして判定・表示して、SNSに投稿するゲーム感覚アプリだそうです。
とても面白い発想のアプリだったので、ぜひともマーケットプレイスに出してほしいと思いました。
Firefox OS x HTML5 x LOD WEB イノベーションハッカソン運営チーム
オープニングのLTで異彩を放っていたチーム。planking(両腕を伸ばしてうつぶせに横たわる行為)を題材にしたコミュニケーションアプリ「PLANKING!!」を展示していました。
人が多いところでplanking写真を撮ると、その恥ずかしさに応じて得られる「恥じらいポイント」の高さを友人と競ったり楽しんだりするそうです。
飲食店のバックヤードの冷蔵庫とかに入っちゃうお年ごろの若者にウケそうです。日本での認知度はよくわかりませんが、ググると外人方々の写真が結構アップされているようだったのでそれなりの需要はあるのかもしれません。
Mozilla 翻訳/製品 L10N コミュニティ
FirefoxやThunderbird、Firefox OSなどのMozilla 製品の各国語対応(Localizetion) や技術情報やサポート情報のドキュメント翻訳を行なっている有志のコミュニティ。イベント会場ではメンバーが集まって、黙々と作業を行っていました。
その劣悪環境での成果がこちら。https://t.co/Ftypde8RcN RT @dynamitter: 人がいっぱいいるし不思議な音があちこちで鳴っててもめげずにリアルタイム翻訳中! #mozillajp pic.twitter.com/VGExBtYssI
— dskmori (@dskmori) 2014, 10月 5
会場で作業を見せていただいたのですが、ドキュメントの編集ツールやレビューの仕組みもしっかりしていました。翻訳作業などへの参加も容易で、各々が自分の力を活かせる場となっています。
KDDIの端末発表もあった充実のトークセッション
トークセッションでは「Web × Fab」や「Web × モノ × くらし」など、Webの未来の話が充実していました。
また、すでに各所で話題になっていますが、KDDIのセッションでは田中社長がビデオレターで登場。12月にFirefox OS端末を発売すると発表しました。
いよいよ国内キャリアから端末が出るというサプライズ発表があるなど、その場に居た多くの開発者がFirefox OSの未来を感じた素晴らしいイベントとなりました。
本イベントやKDDIから発売される端末を通じて、さらに多くの開発者が参入することで、Firefox OSがさらなる展開をしていくことを期待しています。
Togetter
当日のつぶやきをTogetterにまとめました。
少しでも会場の様子が伝われば幸いです。
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