1ヶ月使ってみた雑感
エプソンさんからスマートグラス『MOVERIO』のモニター機をお借りして1ヶ月が経過しました。今月は仕事が立て込んでいたこともあり、あまりいじれていないのですが…
率直に申し上げると「触る気も失せるほど微妙なデバイス」というのが現時点での感想です。
そのあたり含め、以下に雑感をまとめてみました。
とにかく目が疲れる。酔う。
目が疲れる
個人差もあるのでしょうが、とにかく使っていて疲れます。パッと思い当たる原因を挙げてみました。
- 常に目の前にスクリーンが映し出されている
- シースルーゆえにスクリーンだけに集中できない
- 解像度が低くて文字がかすれて見える時がある
- 使いづらい入力インターフェース
シースルー型という点に関しては、メリットでありデメリットでもある部分が出てきました。
MOVERIOは入力インターフェースとしてグラスに接続されたコントローラーを使います。常に眉根を寄せながら目を凝らして手元の端末を指でなぞりスクリーン上のカーソルを操作。文字の入力も非常に面倒くさいです。
スマホやタブレットであればタップした場所が反応するのに、Androidでわざわざカーソルを操作するというのは煩わしさ以外ありません。ハッキリ言って最悪のUXです。
酔う
基本的に3Dゲームなどの映像コンテンツでも酔うことはないのですが…今まで体験したことのない状況で映しだされるスクリーンを見続けているためか、装着して十数分経過したあたりから気持ち悪くなります。
これは慣れによって解消されるのかもしれませんが、いつまでこの状況が続くかがわからないため気が滅入ります。
あくまで個人の感想ですが、理由がどうあれ長時間の使用が厳しいデバイスは結果的に使わなくなります。
言うほど大画面ではない
これはもう言葉のとおりです。
視線を遠くにおけばおくほど大画面になる原理とのことですが、部屋の中で使う分には視線の先はせいぜい数メートルです。体感的には普通にテレビの画面見てるくらいのサイズ(もしくはそれ以下)です。
宣伝広告等で「大画面」を推していますが、実際に体験してみると「えっ…こんなもんなの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
他のブロガーさんの記事はあまり読めていないのですが…やたらと大画面大画面連呼してるような記事があれば、一歩引いてみた方が良いと思います。
専用アプリが少なすぎる問題
専用ストアから落とせるアプリがめっちゃ少ないです。ストアはPCからでも見れます。
「すべて」の項目を見ると1ページにつき9アプリずつ並んでいますが、全部で10ページなのでサードパーティ製のアプリは100個以下ということですね。
MOVERIOにはPlayストア(Google Play)も入っていないため、一般的なAndroid端末で使用できるアプリがほとんど利用できません。
この問題に関しては、あるルートを使うことでインストールできるアプリの幅がぐんと広がります。こちらは別記事で書く予定です。
2015年5月30日 追記:書きました。
MOVERIOで使えるアプリが少ない問題はAmazonアプリストアをインストールして解消しましょう
ワイヤレスミラーリングが使いものにならない
残念ながら期待ハズレでした。
ワイヤレスミラーリングアダプターをBDレコーダーと接続すると、録画した番組などを飛ばしてみることができるのですが…ブロックノイズが酷く接続もブツブツ切れる状態で、運良く映像が流れ始めても数分後に停止してしまう(タイムアウトでセッション切れる感)レベルです。
環境に左右される部分もあるかもですが、少なくともウチでは使いものにならなそうです。
2015年6月29日 追記:Twonky Beamを使ったらスムーズに見れました
Twonky Beamが好印象。MOVERIOでBDレコーダーの録画番組を見てみた
開発者用ファームウェアに書き換えると元に戻せない?
MOVERIO用のアプリを開発するためには、本体を開発者用システムソフトウェアに書き換える必要があります。通常の製品用システムソフトウェアと比べると以下のような違いがあります。
- Android のデバッグ機能(Android Debug Bridge)が利用可能
- プリインストールアプリの数が少ない
- MOVERIO Mirror で扱えるコンテンツに制限がある
- プリインストール版での SEViewer でアプリインストールが可能
- P-GPS が利用不可
GPSを使ったアプリの開発も検討していたのですが…開発者向けで使えなくなる意味がちょっとよくわかりません。
あとBDレコーダーに録画した番組を飛ばしてみるとかできなくなります。地味に痛い。
MOVERIO では DRM に代表される著作権保護コンテンツを扱いますが、デバッグ環境を
悪用した著作権保護コンテンツの抜き出しや流出を防ぐため、開発者用システムソフトウェアは DRM 非
対応のシステムとして振舞います。このため、MOVERIO Mirror におきましても著作権保護コンテンツ
の視聴や伝送が行えない他、ワイヤレスミラーリングアダプタに対しても Sink モードでの接続ができなくなりますのでご注意ください。
しかも製品版には戻せなくなるっぽい…?(これは時間なくて裏とり出来てません)
MOVERIOどいひー
「一度システムソフトウェアを開発者用に変更してしまうと、製品用への復元はできません」
「開発者用システムは DRM 非対応のシステムとして振舞います。このため、MOVERIO Mirror におきましても著作権保護コンテンツの視聴や伝送は行えません」— WMRM@ひとやすみ (@WMRM_2011) 2015年4月22日
なんだかなぁ…って感じです。
普通にAndroid用のapk作ってそれ入れるとかできれば、書き換えずに済むのかな?来月はこのあたりも見ていきたいです。
まだあわてるような時間じゃない
本記事ではかなり酷評してしまった感ありますが、まだあわてるような時間じゃない。今後の記事ではなるべく有用に使える手段を提供していけたら良いなぁと思っています。
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