【書評】強いチームはオフィスを捨てる:37シグナルズが考える「働き方革命」

強いチームはオフィスを捨てる

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

タイムリーにリモートワークなお仕事をしているので読みました。

どんな本?

小さなチーム、大きな仕事』著者による最新作。どこにいても世界中の人と簡単にコミュニケーションできるのに、なぜオフィスが必要なのかを問う。

人生の大切な時間を通勤に費やすのはナンセンス!
優秀な人材と一緒に働きたければ、物理的距離なんて関係ない!
前作『小さなチーム、大きな仕事』で圧倒的な支持を集めたカリスマ経営者たちが、今回取り上げたのは「リモートワーク」。
世界に散らばる36人の社員を率いて、数百万人ものユーザーにサービスを届けている彼らが、新しい時代にふさわしい働き方を伝授する。
会社や組織にまつわる固定観念が、徹底的にくつがえる!

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

内容はこんな感じ

読んでいて気になった文章を引用しつつ、サラッとご紹介したいと思います。

1年で400時間

オフィスで働く場合の通勤時間について。

片道45分かけて通勤している人の場合、1日に1時間半が通勤に消える。1週間で7時間半だ。1年にすると300時間から400時間が、通勤のためだけに消えていくことになる。

ちなみに著者の会社、37シグナルズの主力製品であるタスク共有・プロジェクト管理ツール『Basecamp』は、ちょうど400時間の工数で完成したそうです。

まぁ、そういうことです。

なんで老後まで待つの?馬鹿なの?死ぬの?

好きなことをするのに、なぜリタイヤを待つ必要があるのでしょうか。

これからは、働きながら好きなことをやる時代だ。歳をとるまで待つ必要はない。好きなことをやれる環境で、仕事と趣味を両立すればいい。何十年も先のことを待ち続ける人生に、何の意味がある?

そもそもいつ死ぬかわかりませんからね。

過去は過去

シリコンバレー、ハリウッド、ニューヨーク…<場所の魔法>は迷信でしかありません。金融商品の説明には、必ずこう書かれているそうです。

「過去の実績は、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。」

すぐれた才能の持ち主は世界中にいます。人材の取り合いになるような地域に彼らを移住させるのは、本当に得策なのでしょうか。

節約するより価値を生みだそう

「リモートワーク=アウトソーシング」と解釈する人がいますが、リモートワークの本質はそこではありません。場所を気にせず優秀な人材を雇えるし、オフィス関連のコストも安くなります。

…本当にそんなことできるのでしょうか?

超一流企業、IBMの事例が紹介されています。

IBMは1995年からリモートワークを推し進め、オフィス面積を7800万平方フィート(およそ725万平米)削減することに成功しています。不要となったオフィスのうち約7割は、19億ドルで売却しました。賃貸している分については別の企業に転賃し、10億ドルを超える賃料を得ました。アメリカだけで年間1億ドルの経費削減となっており、ヨーロッパでも同等かそれ以上の経費削減が実現されています。

数十億ドルの節約ですってよ、奥さま。

「あれ、まだコピー用紙の節約なんてしてんすか?wwww」という声が、どこかから聞こえてきそうです。

あなたの会社、すでにリモートじゃないですかやだー

実はあなたの会社もすでにリモート化されているのではないでしょうか。

オフィスに勤務している人たちだって、実はリモートワークと同じようなことをしていたりする。すぐそこの席の人にわざわざメールを書いたり、メッセージを送ったり。あるいは集中のためにヘッドフォンをつけて外界を遮断してみたり。

会社によってはファイル共有ソフトを導入しているところも多いですよね。

あれ…?オフィス行く意味なくね?

上司が見張っていないと仕事をサボるか

残念なお知らせです。大抵の会社のPCでもゲームやネットサーフィンはできてしまいます。

たとえば大手百貨店のJCペニーでは、4800n印の従業員を抱える本社のインターネット接続状況を調査した結果、トラフィックのおよそ30%がYouTubeの視聴に使われていることがわかった。

「会社に来ている=常に仕事をしている」という保証はどこにもないのです。

その人、会社に必要ですか?

部下のことを常に見張っていないと不安なら、それはマネジメントができていない証拠です。

「部下が信用できないなら、それは人材採用が正しくできていない証拠です。成果のだせない社員や、自分の作業スケジュールを管理できない社員は、会社に必要ありません。それだけの話です。我々はスキルの高いプロフェッショナルだけを採用します。自分のスケジュールを管理し、組織に貢献できる人間だけが生き残ります。わざわざ会社で子守をする余裕はありません。」

人材採用、マネジメントを見直しましょうというお話。

シンプルに考えよう。あなたが上司なら、信頼できない部下を雇わないほうがいい。あなたが部下なら、信頼してくれない上司のもとで働かないほうがいい。リモートワークをまかせられない人間に何をまかせられるというのだろう。つねに見張っていないと仕事ができない社員に、顧客と話しをさせるなんておかしいじゃないか?

こんなの絶対おかしいよ。

オフィスのサンクコスト

「せっかく用意したオフィスを使わないなんてもったいないじゃないか!」

落ち着いてサンクコストのことを考えてみましょう。

サンクコストとは、すでに支払ってしまったお金のことだ。オフィスの購入や家具に支払ったお金は、もう二度と戻ってこない。オフィスを使おうと使うまいと、同じことだ。使っても使わなくても同じなら、考えるべき点はただひとつ。オフィスで働いたほうが成果が上がるかどうか、それだけだ。

成果主義万歳∩( ・ω・)∩

ミーティングを減らそう

これはもう色んな本に書いてあるので、言うまでも無いですかね。

多すぎるミーティングは、人のやる気をぶち壊してしまうのだ。それだけではなく、ミーティングは集中力のじゃまになる。どんなに大事な作業の途中でも、みんな一斉に集まらなくてはいけないからだ。7人の参加者で1時間のミーティングをすると、7時間分の作業が失われる。

はたしてそのミーティングには、7時間分の作業に見合う価値があるのだろうか?覚えておこう。1時間だけのミーティングなんて、存在しない。5人で1時間費やしたら、それは5時間のミーティングなのだ。

そういえば前職では、1日中会議漬けの日があったり無かったり(僕は参加してないけど)。

リモートワーカーは人柄が大事

これも人材採用の話かな。

基本はシンプルだ。いやなやつは、雇わない。ただし、リモートワークではもう少し念入りに、「いやな言葉」「感情的な対立」「悪いムード」を徹底的に排除していくことが大切だ。

そう思う。

地域で賃金差別をしない

逆に考えるんだ。

「ニューヨークよりカンザスのほうが給料を安く抑えられる」と考えるより、「カンザスの優秀な人を雇って、ニューヨーク並みの給料を払えば、とても満足して働いてもらえる」と考えよう。

目からウロコでした。

無駄な承認や手続きを根絶しよう

ワークフローの見直し。

リモートで仕事をやりとげるコツは、無駄な待ち時間をなくすことだ。2時間も3時間も机の前で爪を噛みながら、上司の承認を待っているなんて意味が無い。本社の人でしかできない作業で前に進めなくなり、ひたすら出社を待ちわびるのも無駄すぎる。

9時5時の世界で働いていると、そういうボトルネックの重大さに気づきにくい。ソフトウェアの新バージョンを展開できるのがジェフひとりだとしても、目の前の席にいて頼むだけなら何の問題もないからだ。

通勤時間の話と合わせたら、いったい何百時間たまるんでしょうね。人によっては何千時間、何万時間にもなるかも?

怠けよりも働きすぎに注意しよう

開発はマラソンです。

働かないチームはいらないが、仕事ひとすじのチームも困りものだ。うまく息抜きできる人のほうが、長く安定して成果を出しやすい。働きすぎず、休みすぎず。週40時間くらいが、ちょうどいい目安になるだろう。

怠けるための言い訳じゃないよ|ω・)

1日のリズムを作る

リモートワーカーになってから、一番の問題だと感じたのがこれ。

「いつまでにどこへ行く」というルールがないと、なかなかベッドからでられない。寝間着のままノートパソコンを開いて仕事をしているうちに、いつのまにか午後になる。仕事の終わりも決まっていないので、本当なら子どもと遊んでやるべき時間にも、ずるずると仕事をしてしまう。

作業環境的には自宅が最強なんだけど、集中するまでの切り替えが難しいんですよね。

いまの仕事形態になって4ヶ月目になりましたが、コワーキングスペースや個室のネットカフェを利用したりして、仕事モードへの切り替えがスムーズにできるようになってきました。

僕の場合は嫁と子どもがいるので、朝食夕食はなるべく一緒に食べるようにするなど、およそ普通の人間の生活リズムに合わせるようにしています。ひとりだと完全に仕事に没入してしまうタイプなので、家族が居て本当に良かったなと思います。

コンピュータを着替えよう

これはすごく良い考えだと思いました。

仕事以外ではタブレットなど、使い勝手のちがう端末に切り替えるのもいいやり方だ。キーボードを売っていると仕事気分を引きずってしまうが、指をすべらせるだけならリラックスモードになれる。コンピュータを使わないのは無理だとしても、使い心地に差をつければ気持ちの区切りがつきやすい。

端末だけはいっぱい持ってるんですけどね…いかんせんMacBook Airが快適過ぎて難しい。

モチベーションの高め方

怪人モチベーションガー。

モチベーションは、小手先のテクニックで上げたり下げたりできるものじゃない。仕事の質と環境を図るバロメーターだと考えたほうがいい。モチベーションが上がらないということは、つまり仕事に問題があるということだ。やるべき理由が不明確だったり、あるいはチームの仲間と気が合わなかったりするのかもしれない。もしあなたがリモートで働いていて、一向に手が進まないと感じたら、それは注意信号だ今の仕事の何が問題なのかを明らかにして、すみやかに改善したほうがいい。

昔は仕事に問題があるなんて考えもしなかったけど、いまは分かる。問題を早急に改善すれば、仕事は爆速になる。

環境に変化をつけよう

デザイナーさんとかは特にそうなのかな。

決まりきったことの繰り返しは、クリエイティビティを弱らせる。同じ時間に起きて、同じ電車に乗り、同じ道を歩いて、同じオフィスの同じ机に座る。毎日毎日その繰り返しでは、発想も凝り固まってしまう。でも環境を変えれば、新しいアイディアがどんどん浮かんでくる。

いい仕事をするには変化が必要だそうです。

いつやるの?

ここまで読んだ方なら分かりますよね。

リモートワークは、すぐ目の前にある。後戻りのできない変化が起ころうとしている。あとは、いつそこに飛び込んでいくかだ。アーリーアダプターとして時代を先取りするか、その後のブームに乗っていくか、出遅れて後からついていくか、それとも完全に乗り遅れるか。

時代を切り開くイノベーターたちを乗せた船は、すでに港を出てしまった。でもアーリーアダプターのための船は、まだ席に余裕がある。今こそ、乗り込むチャンスだ。

まさに「働き方革命」

翻訳の文体が非常に読みやすく、内容もおもしろかったので2〜3時間程度で読めました。また、本書の最後にはリモートワークを支援するツールの紹介もされています。

働き方や職場環境の改善に悩んでいる方には、ぜひとも読んでもらいたい一冊です。

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」
ジェイソン・フリード デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
早川書房
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