Behind the Realm Reborn
3月にサンフランシスコで行われたGame Developers Conference 2014。
『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』プロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏の講演内容が、GDCのサイトで公開されています。
5つの議題、1時間にわたる講演
講演では5つの議題が掲げられ、オリジナルのFFXIVというプロジェクトの失敗、そして新生に至るまでの経緯が約1時間にわたり解説されています。
- FFXIVという特殊なプロジェクトの経緯について
- なぜオリジナルのFFXIVが失敗してしまったのか
- どのようにして新生したのか
- ビジネスモデル
- 大型MMORPGはこれからどうなっていくのか
この記事では「なぜオリジナルのFFXIVが失敗してしまったのか」という部分を抜粋して、講演内容の一部をご紹介したいと思います。
なぜオリジナルのFFXIVは失敗してしまったのか?
2010年9月に正式サービスが開始されたオリジナルのFFXIV。
毎日400回ほどサーバダウンするなど、ゲームの根幹に関わる問題が多岐にわたり存在。ファンからもメディアからも大変な酷評を受けました。
その要因の一端として、グラフィックに固執し過ぎてしまったことが挙げられています。例えば、花壇のオブジェクトひとつにプレイヤーキャラクターと同一のポリゴン数を使用するなど、にわかには信じがたいことが日常的に行われていました。
PS2時代におけるスクウェア・エニックス全体の大きな成功体験。良かれと思いグラフィックに力を入れていった結果、逆にそれが足かせとなり膨大なリソースに対応することができないという状況が生まれることに。
なぜオリジナルのFFXIVは失敗してしまったのか?
- ユーザーのゲーム体験よりもグラフィックを優先してしまったこと
- MMORPGの開発に不勉強であったこと
- FFのブランドやファンに寄りかかった気持ちがあったこと
吉田プロデューサーは、この3つが大きな失敗に繋がったと分析しています。
大きな成功体験から来る失敗
現行バージョンの運営を続けつつ、同時並行で新生バージョンの開発をする。これがいかに大変なことであるか、正直想像もつきません。吉田プロデューサーやFFXIV開発陣の苦悩、動画を見ることでその片鱗を垣間見ることができるはずです。
おそらく全く同じ体験をするという人はまず居ないと思います。しかしながらプロジェクトの大きな成功体験から来る失敗。これはMMORPGに限らず、多くの組織・現場で起こり得ることでしょう。
動画は約1時間にわたる講演となっていますが、聞いているだけで胃が痛くなるような現実を突きつけられます。FFファンだけではなく、ユーザーにサービスを提供するお仕事をされているすべての方に見ていただきたい講演内容となっています。
お時間のできた時にでも、ぜひ一度ご覧ください。
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