リーダーが“在り方”を変えれば、チームは生まれ変わる
『「全員活躍チーム」リーダーの心得』を読んだので雑感を書き残しておく。
内容紹介
チーム開発のスペシャリストが語る、チームリーダーの「在り方」
空前の人手不足や「働き方改革」の進行により、管理職クラスのマネジメントの姿が大きく変わろうとしている。
少ない人数かつより短い時間でこれまで以上の成果を上げるためには、特定のリーダーがチームを引っ張る従来のスタイルではリーダーの負担が重くなり、またメンバーのモチベーションも上がらない。
チームのメンバー全員がリーダーシップを発揮して自律的に動く「全員活躍チーム」こそがこれからの経営に必要なスタイルだと著者の小笠原氏は主張する。本書はその「全員活躍チーム」を実現するリーダーに求められる心の「在り方」を提供するもの。
真の「働き方改革」とは、仕事を「個人戦」から「組織戦」に変えることだと喝破する注目の書である。
「個人戦」から「組織戦」に
章立ては以下のとおり。
- 序章 全員活躍チームにおけるリーダーの在り方
- 第1章 〈自分軸〉まず自分自身を見つめる
- 第2章 〈他者軸〉メンバーとの関わり方を見直す
- 第3章 〈チーム軸〉チームリーダーとしての在り方を考える
- 第4章 〈組織軸〉会社全体における自分の役割を考える
- 第5章 〈歴史軸〉偉大なる先達の生き様を学ぶ
自分軸、他者軸、チーム軸、組織軸、歴史軸といった観点から、多面的にリーダーの“在り方”を見つめ直す構成となっています。
「人は一生成長し続けると信じる」「部下に権限委譲して成長機会を作る」など、主にチームで仕事をする上で生じる、リーダーの悩みに寄り添って書かれた一冊です。
マネジメント=管理しようとするのではなく、リーダーシップのマインドを持って自身の在り方を示していく。自分は「相手のほんの一部分しか知らない」という自覚を持ち、思い込みによるチームの成長阻害を解消する思考法が紹介されています。
リーダー自身のモチベーションが低い状態でメンバーがついてくるわけがない。まずは自身を知り、鼓舞しよう。「ミッション」「ビジョン」「バリュー」は掲げるだけではなく実行に移さなければ意味がない。継続が周囲に変化をもたらす。などなど。
それぞれ役割の違う複数人のチームで働いている方々であれば、思わず頷いてしまうシチュエーションばかりです。
リーダーシップやらコーチング系の本によく書かれていることですが、自分の手元にある仕事だけで責任をぶった切るのでなく、より広い範囲で全体を見渡すことが重要です。
仕事に対する視界が狭くなると、何か問題が発生しても気付くことができなかったり、気付いても放置されたりしてしまいます。
プロジェクトも終盤に差しかかった頃、各領域の境界線付近のタスクがまるまる抜け落ちていたことが発覚…なんてことは、誰でも身に覚えがあるのではないでしょうか。
このような「全体観」を、リーダーひとりが持つのではなくチームメンバー全員が認識し、互いの立場や仕事内容を理解して信頼し合う。そんな働き方ができれば、「個人戦」から「チーム戦」へと変えることができるはずだと。
チームづくり、組織づくりで壁にぶち当たって悩んでいる方は、本書の内容を自分の中に落とし込んでみると良いかと思います。
チームで戦っていく上でのヒントが散りばめられている一冊でした。
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