【書評】Mastodonとは: 脅威の分散型SNS

概要把握に最適な一冊

2017年4月上旬、突如として日本で話題となった分散型SNS「Mastodon(マストドン)」。本書はそのサービス概要や盛り上がりの一端について記された一冊である。

すでにネット上では大手メディアや新しいもの好きの個人ブロガーなどが多くの情報発信をしているが、本書はそれらを集約、電子書籍化することで体系的な解説を実現している。

Mastodonは登場から間もないサービスということで、冒頭ではその情報が陳腐化するのも早いであろうという旨も言及されてる。ちなみに本書は、日本での急激な盛り上がりの火付け役となったとされるASCII.jpの記事公開から、一週間経たずして発行された電子書籍である。

それゆえ書籍全体の約25%が参考文献の掲載に充てられるなど、ややボリューム感に欠けるが、インスタンスの選び方やアカウント作成、基本的な使い方などがわかりやすく説明されており、Mastodonの概要把握には十分な一冊だと言える。

筆者の実践に基づいた補足情報も好印象。大まかな機能仕様についてもカバーされており、アカウント削除機能が実装されていない点や、ユーザー情報の扱いがインスタンス管理者に委ねられてしまう点など、現時点で問題視されている部分についても漏れなく解説されている。

これから利用してみようというユーザーだけでなく、インスタンス管理者側にとっても最低限のリスク管理を把握するのに役立つだろう。

現状、日本での急激な盛り上がりはごく一部にしか見られていないこともあり、あっという間に廃れる可能性は十分にある。それでもこのMastodonの動向が気になるという方は、一度目を通しておいて損にはならないだろう。